第七十六話「心友―未来3―」

―― 彩樹にとって私は必要な存在なのだろうか?
 私を忘れて恵と帰った事に対する怒りが冷めたとき、ふとそんな疑問が頭をよぎった。

 私は彩樹を心から愛しているし必要としている。もはや彩樹のいない生活など考えられ
ない。もしも彩樹を失ったとしたら……。
―― 迷わず私はこの命を絶つでしょうね。
 嘘でも冗談でもない。生きる意味をなくして生きるほど私は強くないのだ。
―― けれど、彩樹はどうなのだろうか?
 車での出来事から少なからず好いてくれていることはわかる。自惚れでなければ両想い
になる日も近いとさえ思う。けど、ひとりでいるときに気づいてしまった。好きと必要は
同義ではないということに……。好きでも必要とされない事もあるのだと。
 突然生まれた小さな不安。
―― 一度だって彩樹は私を必要だと口にしてくれた事はあっただろうか?
 彩樹と再会してからの記憶には一度もなかった。あるのは罵声を、怒りを、困惑を、そ
して多少の恥じらいを向けられたことだけ。たったの1度も私を必要としてくれた事がな
い。その事実は小さな不安を無視できないほど増長させた。
―― 必要とされないのは……イヤ。
 彩樹に私を必要としてほしいと思う。いや、必要とされたい。必要とされていると実感
したい。実感して安心したい。その時に感じるであろう幸せに浸りたい。
 彩樹に見てほしい、話しかけてほしい、触れてほしい、抱き締めてほしい。
―― 片時も私という存在を忘れないで。私という存在を無視しないで。目を覚ましたら
一番に私を思い浮かべて。私を見て。私を愛して……私を……。

 次第に疑問は願いへと変わっていく。

 けれど、そんな願いとは裏腹に彩樹が私を必要としてくれる事はなかった。

 そして、今……。

 目の前で彩樹は私などいないものとして会話を楽しんでいた。
―― あの笑顔を向けられたい。あの声を身近で感じたい。
 ほんの数メートル。たった十数歩。なのにとてつもなく遠い。
―― どうして今、私はあの人の傍にいないのだろう。
 輪の外で私はただ彼を見つめて、彼はそんな私など気にせず楽しそうに笑っている。私
の方へ目を向けたのも部屋に入ったときだけで、それ以後は目も向けてくれない。
 それは明らかな拒絶、垣間見えた嫌悪。その二つが胸を強く締めつけた。
―― 嗚呼、そういうことなのね。彩樹は私などいなくても何とも思わない。私は彩樹に
必要とされていないのね。
 二つから導き出された答えが耐え難い喪失感を抱かせる。とたん、胸の締め付けが更に
強まり、次第に視界がぼやけてきて……。

「盟子! 二人を部屋の外へ!」
 恵の裂帛の指示に俺は我に返った。と、盟子がハルと晴香を小脇に抱えて部屋を出てい
く姿が視界をよぎる。
「え、あ、えと……どうしたんだ?」
 二人を連れ出す理由がわからなくて思わず恵に問う。
「馬鹿者! 姉上の涙を他者に見せられるわけがなかろう! 世界を担う法光院家の一員
たる者は強くなくてはならぬ。涙など容易に流してはならぬのだ。ましてや他者に見られ
るなど言語道断じゃ!」
「俺も一応他者だとおも――」
 言いきる前に刃のような鋭い視線を向けられ俺は口を閉じた。
「お主は姉上と妾の決縁者じゃ。他者ではない。もしも次に同じような事を口にすれば…
…たとえお主といえどただではおかぬ。良いな?」
 有無を言わせぬ口調に俺はただ頷くしかできない。
―― そういやこいつもそうだったっけな……。
 目の前の少女が今更ながら法光院の人間だと思い出した。幼い外見の内には大人顔負け
の素顔があるのだ。
―― ま、今はそんな事よりもあっちなんだが……。
 恵から涙を零しながらじっとこっちを見つめる棗へと顔を向けた。
「妾も席を外そう。頑張るのだぞ」
 そう言って、軽く俺の背中を叩いて部屋から出ていった。そして部屋には俺と泣いてい
る棗の二人きり。何とも気まずい状況だった。
―― と、とりあえずは泣き止ませて理由を聞く、だな。
 俺はスーツのポケットからハンカチを取り出して棗の前に差し出す。
「ほら、これで顔を拭けよ」
「……」
 無言で払いのけられた。多少ムッとなるも再度差し出す。今度は無反応だった。ハンカ
チなど目もくれずじっと前を見たまま動かない。
「ったく。仕方ねえな。じっとしてろよ?」
 ふて腐れた子供のような態度にため息をひとつ漏らしてから、涙でびしょびしょの顔を
拭ってやろうと手を伸ばした瞬間、鈍い衝撃が腹を貫いた。棗がいきなり強烈な右ストレ
ートを叩き込んできやがったのだ。不意打ちに腹筋へ力を入れる暇すらない。
 まともにくらった俺は息苦しさと痛みにたまらずその場に両膝をつくハメになった。
―― が、我慢だ我慢。
 相手は泣いている。精神不安定なんだから我慢しろと必死に言い聞かせて何とか怒りを
押さえ込む。代わりに頬とこめかみの辺りがひきつった。
「な、なあ。泣いてないで訳くらい話せよ。話せば気も楽なるかもしれねえだろ?」
「……しないで」
「あ?」
 か細い声で聞き取れない。気になって耳だけを寄せてみると、
「もう私に優しくしないで!」
 傍に寄せた耳に大音声が浴びせかけられる。あまりの音量に鼓膜がやぶれるかと思った。
たまらず耳を押さえる。
「どうせ……どうせ彩樹は私なんていなくても良いのでしょう?! いなくとも何とも思
わないのでしょう?! 何とも感じないのでしょう?! それは必要ないというでしょ
う?! それなら優しくなどしないでっ! 必要とされてないのに優しくされても嬉しく
ありません! そんなの惨めになるだけだものっ!」
 矢継ぎ早にそう叫ぶや棗は部屋を飛び出してしまった。
―― 必要ないってどういうことだよ。
 残された俺はまだ痛む腹をさすりながら立ち上がって部屋の外にでた。
「棗ちゃんの発言から察するにあ〜やが悪い。何もかも悪い」
「異議なし。あるとすればあ〜ちゃんに異議あり! ねえ、なぁ〜んでこうなったかわか
ってるの? ……って、鈍いあ〜ちゃんにわかってるわけないよね」
 廊下に立っていたハルと晴香は口々に言ってから大仰に肩を竦めやがった。言葉どおり
に『なんて馬鹿なヤツ』だと。
「泣いてたから涙を拭いてやろうとしたんだぞ。どこが悪いっていうんだよ?」
「……ふむ。そういう事じゃったか。なるほどのう」
「こらこら。そっちもそっちでなに自分勝手に理解してんだよ。わからねえから俺にも教
えろって」
「うむ。よかろう。では彩樹」
 幼い指が真っ直ぐに俺の顔を指差す。
「ひとつ聞かせろ。お主はなぜここにいるのじゃ?」
「なぜって……」
 すぐには答えられなかった。ここにいたいからだというのは確かだ。
―― だが何でここにいたい?
 自らに問うと間を置かずしてふたつの答えが浮かぶ。
『棗と恵の二人といるのが楽しい』・『クソ親父と顔を合わせずに済む』。
 どっちかが建前で、どっちかが本当の理由。
―― ではどっちが本音だ?
 なんていう問いは考えるまでもないではないか。ここにいる事にしたあの時―屋根の上
で棗に勝負を持ちかけた時―から……たぶん……決まってたんだからな。
「家にいるよりお前達といる方が楽しいからだ」
「達ではなくて姉上とであろう。違うか?」
「あ〜いや、その……」
 本人がいないとはいっても直接的に『ソレ』を口にするのは恥ずかしくて俺は口ごもっ
た。そんな俺の胸を恵が何度か小突いてくる。
「ハッキリと言え。妾に気兼ねすることなどないぞ。元よりわかっていたことだ」
「……お前の言うとおりだよ。俺はあいつといたい。あいつがいるからここにいる。あと、
お前もな。お前といると何だか心洗われるんだ、これが」
 初めて本心を吐露しながら俺は恵の頭に手を置く。そのままくしゃくしゃと髪を撫でて
やった。
「あ〜や、それを一度でも棗ちゃんに言ったことある?」
「いや、んな恥ずかしい事は一度も……あ」
 答えている最中にさっき棗が叫んだ言葉を思い出した。同時に欠けていたパズルの1ピ
ースがぴったりと収まったかのように、さっきまで理解できなかった棗の言動が理解でき
た。
「まさか……そういうことなのか?」
 俺の言葉にハルも晴香も恵も、そしてずっと直立不動であった盟子も大きく何度も頷い
てみせた。
「だ、だけどよ……」
「だけどじゃない。あ〜やは一緒にいるだけで満足してるから考えないのかもしれない。
確かに好きな人と一緒にいる人は幸せかもしれないけど、いつかそれだけじゃ足りなくな
ったり不安になったりする。だから、言葉や体で強くその人が自分を必要としていると強
く実感したくなる。実感して不安を消し去りたいって思うのさ」
「うんうん。説得力あるなぁ。経験者は語るってヤツじゃん。ウチは何度もあるよ。ハル
って本当にウチを愛してるのかな? 本当にそう思ってくれてるか不安だから愛してるっ
て言ってもらいたいとか、抱き締めてほしいとか、キスしてほしいとか、もうそれ以上の
事だって……んきゃぁぁぁぁあ」
 何を思い出したのか顔を真っ赤にさせて晴香はハルの背中をバシバシ叩く。シリアスム
ードが一転してギャグムードになった。というか下ネタコースだ。
 何とも場違いな路線変更をしてくれやがった晴香を全員が半眼で睨む。
「晴香は黙って。いま大事なトコ」
「わ、わかってるって。ちょっとしたお茶目で……ごめん」
 底冷えするようなハルの声に晴香はしょぼんと頭を下げた。
「場の雰囲気崩れたけど続けるね。たぶん、棗ちゃんは何かの理由で不安になったんだ。
そして、ついに爆発した。きっと彼女は悲しんでる。好きな相手に必要とされていないと
思い込んでね」
「………」
「……あ〜やは彼女といたいんでしょ?」
「ああ」
「あ〜やに彼女は必要かい?」
「ああ」
「なら、やることはもうわかってるね?」
「ここまで言われてわからなかったら馬鹿だろ」
「いや、こうなる前にわからなかったあ〜やは既にバカ。大バカ。甲斐性なし」
「ぐっ」
 正論なだけに言い返せなかった。とりあえず、
―― くそぅ。お前達だってこの前まで同じような状態だったろうが〜! 誰のおかげで
お前らの仲が更に良くなったと思ってんだ?!
 と苦し紛れに心の中で叫んでおく。あっちは過去でこっちは現在。どうせ声に出した所
でこっちが不利だ。
「ほ〜ら、わかったらボサッとしてないで! さっさと行くの!」
 何て考えていたら晴香に肩を掴まれて向かって左−どうやら棗の走り去った場所−へと
体の向きを変えられた。
「で、あいつは何処へ行ったんだ?」
「そんなのは自分で探すの! はい、行った行った!」
 背中を強く押されて俺は棗の居場所もわからないまま前へと進んだ。
「しっかし、あいつはどこいったんだ?」
 少し歩いた所で俺はふと立ち止まって左に顔を向けた。視線の先には毎度おなじみの板
チョコ扉。その向こうには階段があって、それを駆け上ると……。
―― まさか、な。
 頭に浮かぶ最悪の事態。だが前科があるだけに確率はゼロじゃない。
―――つうか何故かここしか考えられねえ。
 俺は扉を開けて階段を駆け上った。そして、その先にある邸の屋根上へと出る。

 そこに、棗はいた。

 今回は1歩動けばあの世へご招待というデンジャラスな場所ではなく屋根の天辺に座っ
ていた。抱えた両膝に顔を埋めている。微かだが嗚咽が聞こえた。
―― 何だかんだ言っても16歳の女の子ってわけか。さしずめ俺はそんな子を泣かした
極悪人ってトコだな。
 年相応の弱さを見せる棗を見た俺は何ともバツが悪くて頭を掻く。しばらく様子を伺っ
ていたが突っ立ってても状況が変わる様子はないと悟り、意を決して俺は声をかけた。
「あ〜もしもし、お嬢さん。どうしてこんな所で凹んでらっしゃるのですかな?」
「……それを私の口から言わせるつもりですか」
 少ししてから恨めしそうな声で棗が答えた。
「あ〜いや、やめとく。直接聞くと良心の呵責に悩まされそうだし」
「意気地なし。軟弱者」
「意気地なしでも軟弱者でも結構。こう見えて打たれ弱いんだ。……隣に座らせてもらう
ぞ」
 そう前置いて俺は棗の隣に腰を下ろした。
「とりあえずお前がどうしてそうなったのかは理解した。つうか、させられた」
「……遅すぎます」
 顔は両膝に埋めたまま棗は答えた。
「ごもっとも」
「それで? こんな私を笑いに来たの? それともトドメを刺そうというのかしら」
「してほしいんならしてやるぞ」
 からかい半分、まだ間に合うのかという確認の意味半分で俺はそう言葉を返した。それ
に対して棗は数秒ほど沈黙のあと……。
「ふぇぇ……」
 子供のように大声で泣き始めてしまった。同時に自分がどれだけ馬鹿な発言をしたのか
を思い知りながら俺は額を押さえた。
―― アホだ、俺は。
 激しく自己嫌悪する。
「すまん。別に今のはそういう意味で言ったわけじゃねえんだ。ただ、まだ間に合うのか
なって確認したかっただけで……つまり、すまん」
「……傷つきました」
 嗚咽混じりの声で棗は言う。
「すまん」
「……ですが私の貴方に対する想いは決して変わりません」
「…………えっと、本当か?」
 傷つけて泣かした相手からの言葉とは思えず俺は聞き返してしまう。
「愚問です」
「そっか………そっかそっか」
 今まで何度も聞かされたストレートな想いの告白。今までなら恥ずかしくなって慌てて
たはずなんだが、今回は違った。さすがに恥ずかしいのは若干あった。これだけは当分変
わらないだろう。違ったのは恥ずかしい以上に嬉しいと感じた事だった。
 そして、自分でも驚くほど自然に俺は棗の頭を自分の胸へと抱き寄せていた。
「あ、彩樹?」
「泣き顔は見てないから安心しろ」
「その事ではなくて……こ、この状況はどういう意味で取れば良いの?」
「ん〜。なんつうか、さっきの言葉を聞いたら無性にこうしたくなった」
 ようやくハルの言葉が理解できた。言葉だけじゃ物足りない。こうして触れてようやく
満足していた。
―― こりゃ勝負は負けだな。
 かといって、この状況でそれを伝えるのは『泣いている』のを理由にしてるようで気が
進まない。
「なら、彩樹は私を必要と――」
「ストップ」
 答えを出させようとする棗を声で止めた。
「え?」
「その答えは今度の日曜に持ち越しな。どうしてって質問はお前が泣いていてフェアに思
えねえからと後は演出ってつうか何つうか……くそっ、いい言葉が浮かばねえし。と、と
にかく悪いとは思うけど、それまでお預けってことで頼む」
「期待して……いいの?」
「さぁて、どうだかなぁ」 
 わざとはぐらかす様に言いながらサラサラの髪をくしゃくしゃになるほど撫でる。
「ま、真面目に聞いているのだから真面目に答えて! それを聞かないと私は……っ」
「んじゃま、とりあえずは――」
 胸にしがみついてきた棗の前髪を掻き上げて、隠れていた額にそっと口づける。これが
今の俺に出来る精一杯の事だった。
 額を押さえた格好で棗が何かを言いたそうに見上げてくる。
「これで勘弁してくれな。つうか、今のが精一杯だ。いいか? 実は今のでも滅茶苦茶奮
発したんだからな……って、聞いてるのか?」
 棗は見上げた格好のまま微動だにしない。眼前で手を左右に振ってみるも無反応で瞬き
すらしなかった。
―― 気絶でもしたか?
 確かめようと頬を摘もうとしたそのとき。
「彩樹!」
 押さえ込んでいたバネが解放されたかのような勢いで飛びつかれた。あまりの唐突さと
勢いに耐え切れず俺は倒れて強かに後頭部を打ち付けちまった。
 そして、打ち所が悪かったらしく俺はそのまま意識を手放した……。

 嬉しかった。
 いつも受け身かはぐらかして何もしてくれなかった彩樹がキスをしてくれた。
―― 箇所が額というのはやや不満ですけど。
 けど、そんな不満の何億倍もの嬉しさと幸せが私を満たしていた。嬉しくて、そして幸
せで両の瞳からはさっきとは別の涙が止めようもなく零れる。
「彩樹! 彩樹! 彩樹!」
 何度も愛しい人の名を何度も呼びながら私は強くしがみつき、顔を胸に埋めた。
―― 聞こえる。彩樹の胸の鼓動が……。
 とくんとくんと心地よいリズムで伝わってくる。その音を聞くだけで心が安らぐ。とた
ん、私は急激な眠気に襲われた。考えてみればここずっと悩み通しでロクな睡眠も食事も
とっていなかった。
―― このまま眠ろう。
 肌寒かったが彩樹と一緒なら温かい。きっと良い夢も見られるだろう。そう思い私は津
波のように押し寄せてきた睡魔に身を任せて目を閉じた。

 その後……。

 俺はそのまま放置され、棗はメイド女達によって自室に運ばれた。放置したのは棗を泣
かした俺に対する奴らなりの仕返しのつもりだったらしい。
 そんで寒空の下に数時間放置された俺は当然と言うべきか高熱を出して寝込むハメにな
った。まあ、殺されなかっただけマシだったと思う。

 ハルと晴香達はそんな俺を見て笑ったあと招待状を渡してさっさと帰ってしまった。理
由を聞くと含みのある笑みと『色々と頑張れ』・『本当に大変なのはこれからだから〜』と
いう言葉が返された。

 恵は相変わらずで寝込んだ俺を棗と口喧嘩しながら甲斐甲斐しく世話をしてくれた。た
だ、ため息をもらす回数がやけに多かったり、時折ボーっとしているのが気になった。

 そして……。

「全員そこに座りなさい! 貴女達は自分がどれほど重大な罪を犯したのかわかっている
のっ! もしかしたら彩樹を永遠に失っていたのかもしれなかったのよっ!」
 目を覚ましてその事実を知った棗の雷がメイド女達に落っこちた。『解雇』という言葉が
発せられたときの連中の顔は哀れというか何というか、大いに同情したくなるほどだった
ので助け舟を出して事なきを得た事実をここに記す。

 結論……。

―― やっぱ俺って物事がひとつ解決する頃になると怪我したり寝込むんだな。

 という悟りを開いたのだった。


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